サファリ・P 第7回公演『砕かれた四月』-プロトタイプ-

バルカン半島の代表的な作家、イスマイル・カダレの代表作「砕かれた四月」を題材に、30分程度の小作品を創作。2022年の公演のプロトタイプとして利賀演劇人コンクールで優秀賞を受賞した演出家の福永武史氏を招き、山口茜演出&福永武史演出の2バージョンを同ステージで上演します。

こちらの公演は終了しました。
ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました。
サファリ・P次回公演は、2022年2,3月を予定しています。情報公開を楽しみにお待ちください。

原作小説:イスマイル・カダレ
翻訳:平岡敦
台本・演出:山口茜 / 出演:高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子
台本・演出:福永武史 / 出演:島袋明希子、福永武史

 

イスマイル・カダレはアルバニア文学を代表する作家。

物語は20世紀初頭のアルバニア、人々を支配しているのは「ジャクマリャ」と呼ばれる復讐の掟だった。主人公の男は数年前に殺された兄の仇討のため、兄を殺した一族の若い男を付け狙っている。仇討に成功すれば、「血の税」を納める義務が発生する。その間、男は自由の身だが、それが終われば今度は自分が狙われる番となる。男は仇討決行のため、毎日神経をすり減らす。決して「こんなことは無意味だ」とは口に出さないが、しかしこの、民を殺して民族を支える慣習に対し、何度も湧き上がってくる違和感を押し殺す様子が、男の身体や行動の描写から浮かび上がってくる。

死と慣習に睨みつけられた主人公は、ようやく仇討に成功し、税金を納めに行く道すがら、ある女性とすれ違う。女はアルバニア高地を題材とした小説を書く作家の妻だった。何にも囚われない女の美しさに男は惹かれ、女もまた、死にとり憑かれた男に惹かれる。まるで主人公の荒涼たる心境のような、アルバニア高地の厳しい自然の中、男と女は求め合い、その姿を求めて高地をさまよう。しかし男は殺される。そして殺される瞬間、ようやく気がつくのである。自分は仇討を決行した時点で、すでに死んでいたのだということに。

 

【京都公演】

2021年
1月22日(金) 15:00 / 19:00
1月23日(土) 15:00◎ / 19:00
1月24日(日) 11:30 / 16:00           (全6ステージ)

※受付は開演の45分前、開場は開演の30分前
※上演時間は約60分(30分×2作品)、途中休憩なし

◎託児サービス15:00(土)(要予約・2名まで、詳細は近日中に公開)
◎アフタートーク15:00(土)終演後 木ノ下裕一氏(木ノ下歌舞伎)

会場:THEATRE E9 KYOTO https://askyoto.or.jp/e9/
〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1

 

【東京公演】

2021年
1月28日(木) 20:00
1月29日(金) 15:00 / 20:00
1月30日(土) 12:00 / 16:00
1月31日(日) 12:00                  (全6ステージ)

※受付は開演の45分前、開場は開演の30分前
※上演時間は約60分(30分×2作品)、途中休憩なし

会場:森下スタジオ Cスタジオ http://www.saison.or.jp/studio/access.html
〒135-0004   東京都江東区森下3-5-6

創作に向けて

【山口演出プラン】
台本・演出:山口茜
出演:高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子

イスマイル・カダレの「砕かれた四月」は非常にユニークな時間感覚の物語だ。主人公の男が銃を構え、敵に狙いを定めるところから物語が始まり、別の男から銃で打たれ地面に倒れるところで物語は終わる。死が猶予された1ヶ月、約720時間はしかし、わずか数秒のようにも感じられる。このように閉じられた円環の中に登場する人物の倒錯した心理は、しかし人間の本質を突いている。我々はこの物語を借りて、人間とは何かを、最小限の台詞と鍛え抜かれた身体であぶり出す。

山口茜プロフィール

劇作家、演出家。合同会社stamp代表。
1999年に魚船プロデュース旗揚げ。2003年にトリコ・Aに改名。2015年にサファリ・Pを旗揚げ。
2003年、『他人(初期化する場合)』で第10回OMS戯曲賞受賞。07年に若手演出家コンクール2006最優秀賞受賞。07年~09年の2年間、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてフィンランドに滞在。12年に文化庁芸術祭新人賞受賞。13年、龍谷奨励賞受賞。15年、利賀演劇人コンクール2015にて優秀演出家賞一席受賞。2015年よりアトリエ劇研アソシエイトアーティスト。2016年よりセゾン文化財団シニアフェロー。
主なテキスト作品に『人魚姫』(主演/南果歩、演出/小野寺修二)、『赤い靴』(主演/片桐はいり、演出/小野寺修二)、主な演出作品にモノオペラ『ひとでなしの恋』(作曲/増田真結、主演/藤木大地)など。「トリコ・A」および「サファリ・P」での作品創作・上演のほか、演劇的手法を使ったワークショップ等を精力的に実施している。

【福永演出プラン】
台本・演出:福永武史
出演:島袋明希子、福永武史

非常にとっつきにくい話しである。掟、誓い、復讐という土着の文化的背景と私は縁遠い。そもそも小説を戯曲にという行為そのものが初めてだが、故に可能性は無限にあるように思う。私は男と女という単純且つ複雑なこの二つの性から愛とは何かを考える物語にしたいと思う。「人は隣人を愛せるのか…。」この寒々とした気候の背景からほんの小さな狂おしくも美しい燈を見つけることが出来ると信じている。

福永武史プロフィール

1996年、大学在学中から演劇を始める。劇団コヨーテピストルにて俳優として活躍。沖縄県内の劇団にも多数出演。2010年に第18回読売演劇大賞・最優秀作品賞受賞作品である、NODA・MAP第15回公演「ザ・キャラクター」(東京芸術劇場)にアンサンブルとして出演。2011年から沖縄で「わが街の小劇場」を立ち上げる。そこから演出家としてもスタートし、10年間で50本以上の作品を創作。2018年8月に利賀演劇人コンクールにて三島由紀夫の「弱法師」にて優秀演出家賞受賞・2019年12月には第62回岸田國士戯曲賞受賞の岡崎藝術座の神里雄大と組み「+51アビアジアン・サンボルハ」に俳優としてメキシコ、ペルーにて公演。2020年9月に鳥の演劇祭でテネシーウィリアムズの「ロンググッドバイ」出品。2020年11月に「わが街の演劇祭」に幕を下ろす。現在、東京在住。

公演に向け、応援コメントをいただきました!

【スタッフ】
舞台監督:大鹿展明
舞台美術協力(サファリ・P):竹内良亮
照明:池辺茜
音響:森永恭代
照明オペ(東京公演のみ):海老澤美幸
宣伝美術・コピーライター:堀川高志(kutowans studio)
写真:松本成弘
サファリ・Pロゴデザイン:Q本かよ
票券:宮田直人(ジャグリング・ユニット・フラトレス)
制作:中筋捺喜(うさぎの喘ギ)、宮田直人(ジャグリング・ユニット・フラトレス)、安野公子、合同会社stamp

提携:THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)[京都]
共催:公益財団法人セゾン文化財団[東京]
協力:株式会社エージェントオフィス タクト、井内純一郎、ジャグリング・ユニット・フラトレス、うさぎの喘ギ
助成:芸術文化振興基金
京都芸術センター制作支援事業
主催:合同会社stamp

当公演における新型コロナウイルス感染症対策について

当団体では、新型コロナウイルス感染拡大予防のガイドラインを策定し、それに従い公演を実施いたします。詳細は、下記ページよりご確認ください。