「続・やってみる演劇」現場レポート①

 合同会社stampが公益財団法人茨木市文化振興財団さんとタッグを組み行うワークショップ「やってみる演劇」。前回は【脚本編】(全8回)、【俳優編】(全4回)を2018年9,10月に開催しました。これがとても好評で、キャンセル待ちになったり、またやって欲しいとの受講者のお声をいただき、「続」として帰ってきました。宣伝しようと思った時にはすでにキャンセル待ちの状態だったので、情報公開が今になってしまいました。茨木の文化的ポテンシャルは計り知れない。

 私(高杉)が講師と作・演出をさせていただいていたシニア劇団の方や前回の参加者の方がチラホラ。リピーターが多いのは嬉しいです。そして半分は初めての方で、まさに「このバランスで発展させたい」という願いが通じたような座組み。リピーターしかいないとどこか「閉じた世界」になってしまうし、新規ばかりだと「お、面白くなかったのかな…」と不安にもなる。半々くらいで継続性を持って更新していきたいです。

 今回は「全2回」と短期決戦なので、ゲームも短めに。とはいえ、初めて会う人同士が演劇で密に絡み、自己を晒すのはなかなかにハードルが高く、ゲームを疎かにはできない。「歩く止まる」や「人間知恵の輪」「ビンバンボイン」などで楽しい時間を創っていく。気をつけたのは「コミュニケーション」と「刺激に対するレスポンス」。端的に言えば「目を見ること」「触れること」「話すこと」「反応すること」。目が合うだけで笑いが込み上げてくる。歩いているだけなのに遊びが見つかってくる。意識が外へ向いていく。今回一番面白かったのは「歩く止まる」で、私が二回手を叩くと近くの人と手を取って、自己紹介して、座るとき。それまでずっとお互いをけん制したり、緊張していた空気が一気に和んでいった。方々で会話が始まり、笑顔が溢れ、多目的ホールの雰囲気が一瞬でやわらかーくなっていった。それまでに少しずつほぐれていたこともあると思うけど、やはり「手を繋ぐ(触れる)」ことの親密感ってすごいな、と思った。そして「自己紹介(自分を表明すること)」。自分への責任と相手への安心。こういう社会性と人間性の中で我々は生きているんだと再確認。

 「おはようの一言で」。たった一言のセリフでも人格や関係性、場所や環境によって全然違う言い方になる。言い方だけではなく「間」「目線」「身体」も劇的に変わる。二人の距離が遠ければ手を振るだろうし、静かな図書館では肩に触れ、唇を動かすだけになる。好きなら見つめ合い、嫌いなら目も見ない。反対に、好きという信頼関係があれば逆に目も見ないかもしれないし、嫌いであることが相手に伝わらないように敢えて普通に(あるいは好きであるかのように)接することもある。気まずければ間が空くし、気分が乗れば間を詰める。本当に多岐にわたる。「おはよう」という一言でこんなに遊べるのだ。演劇の、演技の、可能性や日常性をしっかり身体を通して感じていただいたところで、台本に入る。

 適当にチーム分けし、同じ台本に取り組む。「いわくつき物件」という、以前私がws用に書いた超短編5人芝居。欠席やキャンセルがいくらかあったので人数は合わないが、来週は揃うだろうと進める。配役を順繰り入れ替えながらの読み合わせ。最後は配役を決めて終了。「セリフ、覚えてきた方がいいですか?」なんて積極的なご意見も出てきていい感じです。演劇は初めてです、なんて方も普通にセリフを口にされる。演劇の奥の深さとは裏腹に、この取っ付きやすさも魅力なのだろう。来週はいよいよ作品づくり。皆さんの想像力を刺激したい!

高杉 征司