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『悪童日記』コソボ公演【クラウドファンディング】が始まりました!

 サファリP 第5回公演では、2017年に初演し好評を得たアゴタ・クリストフ作『悪童日記』を2019年2月~3月に大阪・八尾、横浜、京都にて再演しました。この一連のツアーは各界から身に余る評価を頂いたのですが、国内での評判にとどまらず、この作品が縁でコソボ共和国プリシュティナで開催されるアートフェスティバル第7回FEMARTフェスティバルから参加招待を受けることとなりました。

 私たちは、今まであまりなじみのなかったコソボという国について調べ、大使館の方のお話なども伺い、先方の担当者とも何度もやり取りを重ねてきました。そしてアゴタ・クリストフ自身が体験し、この作品で描かれている分断のモチーフとなったハンガリー紛争のすぐそばの国、そしてほんの10数年前に国が分断されて独立して生まれた新しい国で、この演目を上演できるというチャンスに運命的なつながりを感じました。
 先方の熱い思いと、日本の様々な方の支援を受けて、サファリ・Pはフェスティバルの参加を決めました。まだ設立されて間もない若い国の勢いが、サファリ・Pのそれと似通っていました。これを逃せば、今後コソボの方と関わることはないでしょう。私たちはこの機会を逃すわけにはいきません。

 しかし演劇を上演するには、たくさんのお金が必要です。フェスティバル側は、非常に魅力的な条件を提示してくださっていますが、コソボとの物価の違い(コソボ共和国の平均月収は3万円程度)もあり、必要な経費をまかなうことは出来ません。すべて自腹でまかなうことになってもいい、という覚悟ではいるものの、コソボ共和国という国との付き合いを、1回きりのことで終わらせたくありません。今回のご縁が無ければ、日本人の劇団がコソボという国で公演を行うということは当分無いかもしれません。今回つながった細い糸を、これから先も持続可能な交流へと広げていきたいと考えています。

 サファリ・Pというカンパニーが、外国でのフェスティバルへの参加や、国内外での外国人アーティストとの共同創作等を行いながら、息長く活動を続けていくためには、必要経費を何らかの形でまかなう必要があると考えました。私たちは現在各種助成金の申請など自己資金の確保に奔走しています。その結果左右されること無く、今回のプロジェクトを成功させたいと考え、この様な形で広く支援を募ることとなりました。もちろん助成金や自己資金の獲得状況によって、目標金額の設定を変更することを予定しています。

 私たちは、このフェスティバルに参加することで、今後観客の皆さんに多くを還元することができると確信しています。ぜひ、ご支援をよろしくお願いします。


◉ご支援いただける方はこちらよりお願いいたします。
(各界からの応援メッセージや我々の想いが掲載してあります。それをお読みいただくだけでも嬉しいです)

 

サファリ・P『怪人二十面相』演出助手・制作助手を募集します

 この度、合同会社stampでは、サファリ・P『怪人二十面相』の稽古場のレポートや制作補助、企画制作会議への出席を通じて、演劇製作に関わっていくことに興味がある方を若干名募集します。演劇公演の制作・広報に関する企画立案と実施を積極的に行っていただける方につきましては、助手ではなく制作者として継続的にstampの活動に参加していただきたいと考えています。
 
 これまであまり演劇とかかわりがなかったけれども、芸術に携わる機会がほしいという学生、社会人の方を歓迎いたします。学業やお仕事の傍らの参加でも結構ですので、少しでも興味を持たれた方はぜひご応募ください。
 
 演劇と社会をつなげること、ひろげることに意欲的な方のご応募を期待しています。
 
 ご応募につきましては、下記の「○応募条件」「○仕事内容・条件」をご確認いただき、「○応募書類要項」の7点を記載したワードファイル等を添付したEメールで下記アドレスまでご連絡ください。また、何かご不明な点がございましたら、下記アドレスまでお気軽にお問い合わせください。
 
 
応募先アドレス
 
 
 
締め切りは3月31日(日)です。ご応募いただいた全ての方と4月上旬に30分程度の面談を行う予定ですが、応募者多数の場合は書類で選考する場合があります。ご了承ください。
 
○応募条件
 
・京都市在住、あるいは京都市内に通える方
 
・20歳以上30歳くらいまで
 
・サファリ・Pやトリコ・Aの舞台作品を観たことがある人
 
・基本的なPCスキルがあること
 
(ワード、エクセル、パワーポイント等で文書作成ができること)
 
・演劇の観客を増やすことに興味があること
 
 
 
○仕事内容・条件

 
*2019年4月から8月まで月数回、制作作業やミーティングに参加。報酬:50,000円
 
*サファリ・P『怪人二十面相』ツアー(7,8月東京、京都)での劇場付き 日給5000円(参加可能日は応相談)
 
*遠距離の交通費は当社で負担します。
 
*近距離の交通費は自己負担となります。

○応募書類要項(書式自由)

 
①氏名
 
②年齢
 
③住所
 
④メールアドレス
 
⑤電話番号
 
⑥観たことがあるトリコ・Aもしくはサファリ・Pの作品と、作品を観て感じたこと、考えたこと
 
(観たことがある作品名を除いて400字以上、上限なし)
 
⑦今後、合同会社stampでの活動を通じて、演劇にどのように関わっていきたいか
 
(400字以上、上限なし)

 
みなさまのご応募を心待ちにしております。
 
 
合同会社stamp

『悪童日記』の躍動日記③

 『悪童日記』ツアー2018が終わりました。
 八尾に始まり、横浜を経て、最後は地元・京都に錦を飾る、足掛け三週間の長い旅でした。大きな事故や怪我もなく、無事に終えることができたことに感謝です。そしてお世話になった劇場の方々、お越しいただいたお客さん、ご協力いただいたたくさんの方々、いつも我々の要望に全力で応えてくれるスタッフの皆さん、そしてご来場は叶わなかったものの気に掛けて応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。


撮影:松本成弘 @京都府立文化芸術会館

 思えば私(高杉)は12月も1日から24日まで『財産没収』のツアーに出ていたのであって、ひと冬で三都市ツアー(『財産没収』は試演会を入れたら四都市!)を二本回すという荒技に出た。なぜこんな荒技を敢行したかというと、「再演だしイケるか!?」という軽いノリだったような気もするし、「これくらいの強度で進んでいくのだよ!」というある種の覚悟であったような気もするのだけれど、結局のところは何も思い出せない。始まってみれば、当然制作も創作も二本同時並行なので、相当バタバタした。大きな犬と一緒に白浜あたりに身を隠したいと思ったことも一度や二度ではない。
 サファリ・Pは稽古をたくさんすることでこの界隈ではちょっと有名なのだけれど、それは「再演」であっても変わりなく、『財産没収』も『悪童日記』も弾むように稽古した。稽古初日に初演の芝居を立ち上げてみるのだけれど、それは問題点・改善点を洗い出すためであって、初演を踏襲する気などサラサラない。お芝居っていうのはよく干したスルメみたいなもので、噛めば噛むほど味が出る。『財産没収』再演で何に取り組んだかはそっちの記事を読んでいただくとして、ここでは『悪童日記』に話を絞る。


撮影:松本成弘 @京都府立文化芸術会館

 まず問題は「プロセニアム」であること。
 これは本当に難題で、最後まで我々を苦しめ続けた。翻って、それはやり甲斐ということになるのだけれど、今は終わったからそんな悠長なことを言っていられるのであって、当時の私はずっとすい臓の裏辺りがヒリヒリしていた。
 今作に限って言えば、プロセニアムの問題は「サイズが大きい」ことではなく、「客席が舞台を見上げる」ことだった。もちろん大きいことも簡単ではなく、60席が420席になるのだから、そのサイズ感の演技・動きに変えていき、観客の遠さも意識して作り直さなければならない。しかしそれは「アジャスト」というレベルの修正なんだと思う。しかし「観客が舞台を見上げる」構造は如何ともし難い。初演の会場は「アトリエ劇研」「こまばアゴラ劇場」「シアターねこ」。いずれも客席はひな壇を組んで舞台を見下ろすスタイル。我々はそれを意識して舞台美術の平台ワークを考えた。十字架になったり、チクタクバンバンをしたり、道になったり、台の下に人が隠れると見えなかったり。平台の組み合わせや動きが上から見て楽しめる構造を作り上げたのだ。しかし、お客さんが舞台を見上げるとなると、初演で創ったビジュアルイメージがことごとく無力化されてしまう。これは本当に困った。もちろん舞台美術を0から考え直し、全ての段取りをつけ直す時間などない。それは新作一本創る労力が必要で、再演ツアーの時間配分では絶対に対応できない。是が非でも初演をアレンジすることで乗り切らねばならない。脾臓の裏の辺りがカサカサする。
 色々試してみて実践したのが、「台を立てる」「台の下の人を見せる」「台の天板の組み合わせの形を見せることがこの芝居の面白さの本質ではない、と自分達に強く言い聞かせる」、この3点だ。どれも非常に強力な作り直しの根拠になった。中でも三番目は冗談っぽく書いたのだけれど、意外とこれが一番効果があった。身体性や発話で世界を象っていくこと、物質や次元ということも含んだ「存在」への哲学的問いかけ、躍動感、スピード感、静止と静寂などがこの作品の面白さの本質であって、平台の組み合わさった形はその補助にすぎない。なので、芝居のダイナミズムをしっかり生の迫力で提示できれば、天板が見えないことなど恐るるに足らず、と考えたわけだ。とはいえ、蓋を開けてみるまでは不安でいっぱいだったのだけれど、2月10日、八尾プリズムホールのカーテンコール、万雷の拍手でお客さんに迎えられた時、「我々のやってきたことに間違いはなかった」と確信できた。

撮影:中筋捺喜 @八尾プリズム小ホール

 フィジカルが物を言う芝居なので、43歳の身体には幾分応えた。「大きな怪我もなく」と冒頭に書いたけれど、逆に言えば小さな怪我はたくさんあったわけで、佐々木ヤス子さんはギックリ腰と闘っていたし、私はふくらはぎがずっと肉離れを起こしていた。そしてこのワークをこなすには筋力もいるし、スタミナもいる。それらがないなら身につける(取り戻す)しかないのであって、できることしかやらなくなったら、そこで作品も表現者としても終わる。中筋さんの執筆してくれた稽古日誌にも出てきたけど、みんなでトレーニングに打ち込んだ。こんなの20代以来だ。
 プランク2分 → 腕上げジャンプ10分 → ゴキブリ体操3分 → 逆立ち1分 → 背筋キープ2分 → プランク2分。これを1分のインターバルで回し、最後は平台を積み重ねたオブジェを飛んで潜ってのアスレチック5周。トレーニング後は、パンパンに張ったダル重い筋肉、滴る汗、切れる息、そんな悦びを感じながら各自持参したプロテインをガブ飲みする。
 演出が悩み始めたり、休憩時間やちょっとした空き時間ができたら、みんな壁のないところで逆立ちを始める。腕立てをする。ローラーで腹筋を鍛える。高タンパクな食物を紹介し合う。「アーティスティックな作品ですね!」なんて形容されるが、内実は超変態筋肉劇団なのだ。一方で、その変態性にこの作品が支えられていることに疑いの余地はない。とにかくなんであれ「歳のせい」にはしたくない。筋肉は裏切らない。「50歳になってもこの作品やってたいな…」トラックでリノリウムを運びながら、独り言(ご)ちるように呟いた。助手席に座る達矢くんは微笑みながら頷いた。

文:高杉征司


撮影:松本成弘 @京都府立文化芸術会館

『悪童日記』の躍動日記②

 『悪童日記』国内ツアーもいよいよ最後の地、京都に来た(というより戻ってきた)。
 八尾、横浜と回を重ねた上演は、さらに進化していた。ぜひリピートしてほしい。

 小劇場という空間は面白い。観客と俳優の距離が近く、その分観客と作品の距離も近い。迫り来る熱量が、一般的なプロセニアムの劇場とは段違いだと思う。
 この『悪童日記』の上演もプロセニアムで、観客と俳優との物理的な距離は遠い。むしろ、遠くていい。できるだけ上演・作品を俯瞰して見ることで、かえって一見わかりにくい双子の輪郭がはっきりとしてくる。双子もまた、感覚を失い、まるで幽体離脱しているかのように自身らを俯瞰してゆく。よく言うことではあるが、客観視することで初めてわかることがある。私達も、双子に感情移入するのではなく俯瞰し、徹底的に客体になることで、見えてくるものがあるのではないだろうか。もちろん、俳優の身体が迫ってくるのは前の方の席だとは思うが、折角なので俯瞰してみていただきたい。

 さて。
 ここからは私の個人の感想になるのだが、この作品を初めて見た時に感じたことは、「乾いている」という感覚だ。
 『悪童日記』のテキストから引用したセリフの数々は、生々しいものが多い。生/性への欲望がはっきりと描かれる。言語化される。戦時下で、人はこうも欲望が剥き出しになるのかと、戦争はおろか震災もほとんど経験したことの無い私はそれだけで震え上がるほどに恐ろしく、そして異常なものへの気持ち悪さ、または憧れを感じる。元々性的なものが苦手だし、演劇的表現であっても性的なモチーフを見せられるのは苦手だったし、生死に関わることも出来るだけ見たくないと目を逸らしてしまいがちな人生を送ってきた私だが、このサファリ・P『悪童日記』を見た時には、全く目を逸らしたいと思うことはなかった。これはもしかすると、物理的な距離によるものかもしれないが、それ以上に演出の妙なのだろうなと感じる。出演者の方々は叙情的ではなく叙事的に、声と身体を使って文体を体現する。その声と身体で表現される双子は、明らかに生への欲望があるにもかかわらず、物語に重きを置くのではなく文体に重きを置くことで、双子の「乾き」を描き出しているのだと感じた。

 人はついつい物語を追ってしまう。「ドラマチック」だからだろうか。しかし、物語を追うのではなくその表現の徹底、表現の強度を追うことでこそ見えてくるものがあるのではないだろうかと感じる。

制作助手 中筋捺喜

『悪童日記』の躍動日記①

 今週末に控えた『悪童日記』。本日2月5日も朝から夕方まで稽古であった。制作助手の私(中筋捺喜)も稽古に参加している。
 再演とはいえ、キャストが違えば舞台も違う。前回は小劇場であったが、今回はプロセニアム舞台と場所も違う。本日もその違いに取り組み、ラストシーンを作り替えてゆく。

 演出家の山口さんがお昼から来られるということで、その課題を俳優の皆さんだけでまずは形にする。「こんなことをしたら面白いんじゃないか?」、その「こんなこと」を聞いた時、私は一瞬耳を疑ったが、それを実現させてしまうのがこの人たちなんだな…と改めて思った。余談ではあるが、キャストのほぼ全員がプロテイン飲料を愛飲している。前までは甘いおやつが置いてあったスペースにはたんぱく質メインの食料が置かれている。一週間ほど私は稽古場に行っていなかったのだが、その一週間のうちにまた皆さんの筋肉意識が上がっていたようだ。
 「こんなこと面白いんじゃないか?」というアイデアから、どんどん新しいアイデアが生まれて、じゃあ自分はこうしよう、それならこうする…と発展してゆくのを見るのはとても面白い。山口さんが来られるまでに一旦たたき台を作り、それを山口さんと共にソフィスティケートしてゆく。そのたたき台だけでも圧巻のものであったが、あと数日間の稽古でどんどん強固なものになってゆくだろう。

 客観性の獲得というのは難しい。自分が動いていることを真に外から覗くことは不可能だ。対して今回の『悪童日記』の原作は、双子が見たまま、聞いたまましか描かれない。彼らの心理すらもその文中には描かれない。そんな作品を舞台に上げる。観客は圧倒的な「客観」なのだが、不思議と舞台上の余白、それは人物の感情だったり性格だったりするのだが、そういうものを想像する。今回の『悪童日記』は事実しか述べられない。それ故、余白だらけである。その余白を埋めたり、あるいは埋めなかったりすることが、おそらく舞台を観ることの楽しみであるのかもしれないと、今回の通し稽古を見ていて感じた。是非、余白を楽しみに来てほしい。

制作助手 中筋捺喜

京都市民読書会とサファリ・Pの特別コラボ読書会『悪童日記』開催決定!

 東京に続いて、京都でも『悪童日記』読書会の開催が決定しました。京都市民読書会さんのご協力で実現しました。ありがとうございます。
 ゲストには『悪童日記』やカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」の編集者でいらっしゃる早川書房の山口晶さんにお越しいただけることになりました。『悪童日記』八尾公演か京都公演のチケットがついたお得なイベントです。皆さんのご来場をお待ちしております。

以下、京都市民読書会さんからのご案内です。

ーーーーーーーーーーーーー
2017年にサファリ・Pが京都・東京・松山で上演した「悪童日記」の再演を記念して、特別読書会を京都・恵文社一乗寺店で開催します。

読書会には、クリストフ『悪童日記』やイシグロ『わたしを離さないで』の編集者・山口晶さん(早川書房)と、サファリ・Pの舞台「悪童日記」の演出・山口茜さんをゲストとしてお迎えします。読書会前に大阪・京都である舞台「悪童日記」の鑑賞チケット付きの読書会となっていますので、舞台と小説、二つの「悪童日記」を参加者の皆さんと共有することのできる場にしたいと思っています。
参加申込者が多数となることが予想されますので、お早めにお申し込みいただくようお願いします。(定員に達し次第受付を締め切らせていただきます。)
たくさんの方のご参加をお待ちしています!

【課題本】
アゴタ・クリストフ『悪童日記』 (堀茂樹訳/ハヤカワepi文庫)

【開催日時】
2019年3月1日(金)19:00~21:00(開場は18:30)

【場所】
京都・恵文社一乗寺店

【ゲスト】
山口晶氏 プロフィール◉2003年、株式会社早川書房入社。編集本部長。海外の小説・ノンフィクションを主に担当している。主な担当作品に、カズオ・ イシグロ『わたしを離さないで』、A・J・フィン『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』、デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』、ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』、ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー(上・下)』

山口茜氏 プロフィール◉劇作家、演出家。1999年トリコ・Aプロデュースを立ち上げ、以後年に1回から2回のペースで、自身の劇作、演出である演劇作品を上演している。2003年第10回OMS戯曲賞大賞受賞、2007年若手演出家コンクール2006最優秀賞受賞、2007年から2009年までの2年間、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてフィンランドに滞在。2012年文化庁芸術祭新人賞受賞。2013年龍谷奨励賞受賞。2015年利賀演劇人コンクール優秀演出家賞一席受賞。2015年よりアトリエ劇研アソシエイトアーティスト。2016年よりセゾン文化財団シニアフェロー。

【参加費】
4000円(参加費には、舞台『悪童日記』の鑑賞チケットと読書会の場所代等が含まれます。)

【鑑賞チケットについて】
ご都合の良い会場と日程を以下よりお選びいただけます。

〈大阪公演〉
2019年2月10日(日) 15:00開演
会場:八尾プリズム小ホール(八尾市文化会館)

〈京都公演〉
2019年2月28日(木) 19:30
    3月  1日(金) 13:00
会場:京都府立文化芸術会館 ホール

なお、通常チケットを購入される場合は下記の価格となっています。

前売 3000円
当日 3500円
ペア割 5000円

詳細は、サファリ・P「悪童日記」予約ページをご確認ください。https://ticket.corich.jp/apply/95959/

【当日の流れ】
当日は、ゲストの方を交えて課題本について感想を話し合い、その後に、ゲストの方のお話を伺います。質問の時間も出来る限り設けたいと思います。

【申し込み方法】
次の申込フォームよりお申し込みください。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeCZy2Hdb-FkeN_PXvWup15SLYgQLo5xeOP3wkWK3QUeG3Hpw/viewform?usp=sf_link

【注意事項】
舞台の鑑賞と読書会への参加がセットの企画となっていますので、仮に読書会のみへの参加であっても料金は同一となります。

【主催】
サファリ・P + 京都市民読書会

『悪童日記』FEMART festival(コソボ共和国)参加決定!

 サファリ・Pの舞台作品『悪童日記』が遂に海を渡ります!

 コソボ共和国で開催されているFEMART festivalに招待していただいたのです。過去のフェス動画を拝見したのですが、あまりの熱狂に「これが本当にアートフェスなのか!?」と衝撃を受けました。パンクバンドのライブのような会場の熱気と観客とパフォーマーの一体感に鳥肌が立ちました。あの環境でやれることが楽しみでなりません。

 我々の『悪童日記』には、そのエネルギーに負けない力があると思います。海外公演を視野に入れ、「身体性」と「音としての声」を突き詰めた超感覚的作品なので、日本語が分からなくても楽しんでいただけるはず。2019年6月、コソボ共和国プリシュティナにて。待ってろ、Oda Theater!

 

FEMART festivalホームページ

FEMART festival


コソボ共和国に拠点を置くNGO、artpolisによる女性芸術家の芸術祭で、
コソボ共和国の首都プリシュティナにて開催。
女性芸術家によるバルカン半島における人権や社会問題に基づいた作品を提供することにより、コソボの女性たちが抱える問題を来場者たちに発信してきた。
200人を超えるあらゆる場所・ジャンル・経験の女性芸術家が参加予定。
過去の実施実績では、5000人以上の観客と100以上のメディアレポートがある。
市民社会組織が交流し、新たな芸術作品の創造へとつながっていくプラットフォームとしても機能している。

 

瀬戸内国際芸術祭2019参加『悪童日記』

下見レポート(2019.1.22)

サファリ・Pは『悪童日記』で瀬戸内国際芸術祭2019に参加させていただくことになりました。秋会期の10月5日土曜日です。高松市にある四国村の農村舞台で上演させていただきます。

先日は出演者と音響の森永さんと演出の山口で下見に行ってまいりました!

四国村には「かずら橋」という吊り橋があります。この吊り橋が、グラッグラの吊り橋なんです。『悪童日記』を観る前に、ご来場のお客様にこの橋を渡ってもらえたらいいかもしれないですね、と高松育ちの大垣さん(芸術祭コーディネーター)。

今回の悪童日記は、著者、アゴタ・クリストフの人生が透けて見えるような演出を考えています。完全に木だけで作られた吊り橋を見ながら、赤子を抱きハンガリーからスイスへ亡命したアゴタに、思いを馳せます。

吊り橋に叫び声をあげる俳優陣を尻目に、山口は迂回して山道を歩いて農村舞台へ。見事な茅葺きの農村舞台、圧巻。600席の客席(この椅子は春に撤去。見納めだそうです)にすわってぼんやり舞台を見つめるキャスト、スタッフたち。達矢さんだけはカメラ目線。

その後、芸術祭の事務所で打ち合わせをいたしました。そこで頂きました、今年もやっぱり、シュッとしたかっこいいパンフレット。しっかりサファリの写真を掲載していただいておりました

                    ⇩ ⇩ ⇩

打ち合わせを終えた私たちは、そのまま山の上にある公園へ向かい、遊具で思いっきり遊んだ後、その日は高松にて宿泊。翌日、やっぱり公園へ向かった私たちは、瀬戸内の素晴らしい景色を目撃しました。

このフォトジェニックな瀬戸内に、どんな風に『悪童日記』を組み合わせましょうか。今から楽しみです!皆さま、2019年の秋は是非、瀬戸内へ!

瀬戸内国際芸術祭2019公式ウェブサイト

悪童日記特設サイト

PPP関連企画「達矢のブレイクダンス講座」終わりました!

 「悪童日記」八尾公演は八尾プリズムホールさんの演劇支援事業(Prism Partner’s Produce)に採択されています。その関連企画として1月13日にワークショップをさせていただきました。八尾市民の皆さんに文化的営みとして還元し、またプリズムさんの事業やサファリ・Pの活動を周知すべく頑張ってきました。と言っても、頑張ったのは達矢くんであって、私(高杉)は写真取ったり、お弁当食ったりしてるだけの憐れな四十男です。それでも「爪痕を残さねば!」と普通に、フルで参加して、踊り狂ってきました。ブレイクダンス、初体験! 実は稽古場で「ウィンドミル」「トーマス」という二つの技には挑戦しているのですが、基本のステップなどは初めてで、すごく楽しかった。クルクル回るイメージが強いブレイクダンスですが、それは技の一部であって、それが出来なくてもちゃんとブレイクダンスを体験できました。

 参加いただいた市民の皆さんも同じ気持ちだったようです。「こんなワークショップ、またやらないんですか?」「めちゃくちゃ楽しかったです!」「実は僕、カポエイラ日本2位です」それはもうポジティブなご意見をたくさんいただきました。年齢も11歳〜74歳まで! これが市の文化施設の底力! 我々では絶対に集められない幅広い客層。年齢も性別も経験も越えて、みんなでいい汗流しました。かかってこい、筋肉痛!!!

高杉征司

『悪童日記』翻訳者・堀茂樹氏より推薦文をいただきました!

 『悪童日記』の八尾公演まで1ヶ月を切り、稽古も情宣も熱を帯びてきたこのタイミングで、小説『悪童日記』の翻訳者である堀茂樹氏より推薦文をいただきました!
 小説『悪童日記』について、またそれを踏まえてサファリ・Pの舞台『悪童日記』は何だったのか、そして原著者アゴタ・クリストフの生前の生の声。『悪童日記』を愛し、アゴタと親交の深かった堀さんにしか書けないであろうこの文章は必読です。


身体表現による「文体」の変奏

 アゴタ・クリストフの『悪童日記』はすぐれて演劇的な小説である。
 全体を構成する計62の章がそれぞれ一幕の寸劇風だ、というだけのことではない。この小説は始めから終わりまで、作中人物の行動および見聞を証言する言葉と、台詞の提示だけで成り立っているのだ。ふつうの小説にあって、演劇にはないもの、すなわち、作者の視点からの情景描写が一切なく、心理描写や性格描写もない。したがって読者は、ちょうど劇場の舞台上のアクションに立ち会う観客のように作中人物の動きを追い、外からは説明されることのない物語に引き込まれていく。
 この演劇的状況が露わにするのは、地上世界にいきなり投げ出されて、超越的視点を持ち得ず、不透明な現実の中を手探りで前進するしかない世界内存在としてのわれわれ人間の実存にほかならない。そこにはまず身体があり、苛酷な生存条件の設定の下で剥き出しになる暴力、セックス、死があり、さらに優しさ、怒り、そして底知れない悲しみがある。そのすべてに、この小説独特の言葉、「事実の忠実な描写」に徹する言葉が、まるで物質のような存在感を与えている。
 2017年3月~4月に劇団「サファリ・P」が山口茜氏の演出で上演した『悪童日記』は、「文体を舞台化する」と謳い、原作からそのエッセンスともいえる身体性と言葉を抽出し、小劇場の抽象性の高い舞台空間の中で、おそるべき運動量の身体表現(台詞を伴う)によってアゴタ・クリストフの文体を変奏した独創的作品だった。
 2011年7月27日に逝ったアゴタ・クリストフは、1995年の来日時、私的会話の中で、演劇人が自分の小説を自由に読み込み、自分に斟酌することなく解釈し、自由に変奏するのを歓迎する、という意味のことを話していた。もし彼女がまだ生きていて、「サファリ・P」のあの『悪童日記』初演を観たなら、非常に興味を覚え、喜んだにちがいないと私は思う。
 今年の再演では、演出に新機軸が加わると聞いている。大いに楽しみだ。

堀 茂樹
(2019年1月16日)